散歩は歩いて10分くらいのとこにある公園。
園児を2列にして、隣同士で手を繋いで歩く。
先頭に綾瀬先生、真ん中には教室にいた保育士さん、一番後ろが俺。
大人の足で10分でも、子供を連れていたらもっとかかる。
普段、理科室か職員室に篭りっぱなしで運動不足の俺にはキツくて、公園に着いた頃には軽く息が上がっていた。
公園の端っこに寄り、そこに子供達を座らせて綾瀬先生が前に立つ。
あまり広くない公園。
俺たち以外、人もいない。
桜だ……。
公園に植えてある桜が満開だった。
「みんな!この花、何かわかるかな?」
綾瀬先生が桜の木を指差してそう言うと、子供達から一斉に“桜!”という声が上がった。
「そう!正解!綺麗だねー!そうだ!深山先生に桜のお話をしてもらいましょう!」
えっ?
何で?いきなり?
「深山先生、前に来て下さい!」
綾瀬先生の声に一斉に注目される。
無視するわけにもいかず、一番後ろにいた俺は前に出て綾瀬先生の隣に立った。



