扉の前でうずくまる。


「.....っ。」


「大丈夫よ?」


俺の目の前には見たことのない綺麗な女の人が立っている。


「要らない人間なんていないのよ?」


女の人は俺の頭を撫でると扉を開けて中に入る。


親戚にあんな人いたっけ?


「アッアナタ誰!!?」


ざわつき出す親戚。


親戚じゃねーの?


俺は気になって扉の向こうを覗く。


「あの子は私が引き取ります。」


え?


女の人の凛とした声。


「......っ。」


叔父さんや叔母さんの驚く表情。


「行こっか。」


女の人は俺の方を見て笑う。


「......。」


剣道をしていない俺を初めて吉佳さんは求めてくれた。