そんな俺は小学4年生の時、初めて負けた。


「.....っ。」


一回戦敗退。


なんで!!?

なんで!!?


この時の俺は人一倍努力していた。

天才少年、神崎 奏として負けないように努力していた。


負けるなんてあり得ない。

あり得ないのに....


「奏!!?どーしたの!!?」


「普通にやれば負ける相手じゃないだろ!!?」


俺の肩を強く握って離さないお父さんとお母さん。


.....負けた。


「天才だからって努力をしなかったんだろ?努力は天才を上回る。」


「そう言えば最近遊んでばっかだったわよね。」


遊んでた?

努力をしていない?


確かに俺はお母さんやお父さんには秘密でよく練習をしていた。

遊ぶのも惜しんで。


それなのにどうして一度負けたくらいでそこまで言われなきゃいけないんだよ。