小学校高学年くらいになると僕は自分の使い方を覚えた。


「翔太様は何がお好みで?」


「う〜ん、イチゴとか好きだよ?」


可愛く笑う僕を見て騒ぐ女子。


西川家の長男、西川 翔太はどこへ行っても人気者だった。


愛想のよさ、礼儀正しさ、家柄のよさ、全てが完璧だった僕に寄り付く女子はたくさんいた。


自分の容姿が可愛いことを知っていた僕は可愛く可愛く女子に笑う。


生徒からの受けがよくなる→親に僕のことを言う→西川財閥の評判がよくなる→お母様が喜ぶ。


お母様に吹っ飛ばされることはなくなった。


その代わり、全く会わないし、会っても目を合わせてくれない。

完全に僕を無視する。


それでもお母様のことを思って行動していた。