西川家の一人息子。


それが僕。


「....アンタ。」


「こんにちは。お母様。」


僕の前に現れたのはお母様。


僕を見て顔を歪めるお母様ににっこりと微笑む僕。


もう、お母様には飛び付かなかった。


幼い僕はお母様が大好きだった。

お母様にもなかなか会えないけど、こうやって廊下で会えばいつも抱きついていた。


でも抱きつく度に僕はお母様に吹っ飛ばされていた。


『近寄るな!!』


と叫ばれて。