side翔太






お母様に僕は嫌われていた。






「翔太様、次はヴァイオリンのお稽古でございます。」


「今、行きます。」


僕に次の稽古を教えてくれたメイドににっこりと笑顔を浮かべる僕。


四歳の僕はすでに嘘笑いを浮かべることが出来ていた。


僕の家は日本有数の財閥。

西川財閥。


大きな家にたくさんの使用人。

忙しくてなかなか家にいないお父様。


僕のことが嫌いなお母様。