キッチンで忙しく動く私の手。


「みんな、私翔太くんの所に行ってくるから食べてて。」


大きな机の上に置いてある野菜炒めと味噌汁。


急いでたから簡単なものしか作れなかった。


私は足早にリビングを出て二階に向かう。


そして翔太くんの部屋の前へ。


「お粥持って来たよ?」


ガチャッ


さっき入ったときも思ったけど翔太くんの部屋は意外と片付いている。


部屋の奥にあるベッドで眠る翔太くん。


「熱、計った?」


私はベッドの横にある小さな机の上にお粥を置くとベッドの側に座る。


「うん。」


「何度?」


「39度。」


翔太くんの口から衝撃の温度が発表されてびっくりする私。


こらゃ、参った。


「よくそんなので仕事出来るよね....。」


私だったらそくダウンだ。


「仕事は遊びじゃないから。」


そう呟く翔太くんの表情がやけに真剣で何も言えなくなる。