千尋くんのせいで気づくのが遅かった。


「翔太くん?」


私は青白い顔をした翔太くんの方に近寄る。


「んー?何?」


翔太くんはというと貼り付いたような不自然な笑みを浮かべて私を見つめている。


そんな嘘は通じない。


「何?っじゃないよ!!顔色悪いよ!!とりあえず、部屋行こう?」


私はそう言って翔太くんに触れようとする。

でも.....


「大丈夫だから。」


その笑顔を崩さず私の手を払う。


「大丈夫になんかに見えない!!」


「だから大丈夫....」


「大丈夫なヤツがそんな顔するか!!」


私を頼ろうとしない翔太くんがムカついた。


大丈夫なわけない。

顔色悪すぎ。


「ちょっ、やめ...。」


私は嫌がる翔太くんなんか無視して翔太くんの額に手を当てる。