「全てを失った私を拾ってくれたのは吉佳さんだった。」


震える私の声。


「みんな私と一緒だと思ってたのにみんな愛されていた。私と違っていた。寂しかった。みんなの幸せを素直に喜べなかった。」


みんな私を心配そうに見てる。


こんなことを思っている私でもそんな目で見てくれる。

こんな私でも....


「嫌いになった?嫌なヤツでしょ?私。」


「嫌いになんてならない。」


雪斗くんが優しく私を抱き締めてくれる。


暖かい。

こんな暖かさ初めて。


「美紀には俺たちがいる。一人じゃねー。」


「お前が俺たちのところに来てくれてよかった。」


「俺たちは家族だ。血の繋がりなんか関係ねー。」


「もう、一生離さないよ。美紀。」


祐希くん、奏くん、千尋くん、翔太くんの順に私に声をかけてくれる。


愛を初めて感じた。


辛かった。

惨めだった。


お母さんは私を愛してくれなかった。


でも、みんながお母さんの分まで、いや、それ以上に私を愛してくれる。


もう一人じゃない。



私に大切な家族が出来た。

愛おしい最愛の家族が。