「おっおか......っ。」


あの人は私のお母さん。


「迎えに来たよ。さぁ、行こう?」


暗い部屋。

暗闇の中で輝く包丁。

それを泣きながら力いっぱい握りしめる女の人。

そして赤。


ドクンッ


怖い。

怖い怖い怖い!!


「やっ、嫌!!来ないで!!殺さないで!!」


フラッ


視界が狭くなる。


「美紀!!」


最後に見えたのは私の名前を呼ぶ祐希くんだった。