俺が中3の時だった。 「アイドルをやりましょう。」 吉佳さんは俺たちの前でニコニコ微笑んでそう言った。 理由は、祐希たちを捨てた親や親戚を見返すためだった。 みんなの意見はもちろん賛成。 見返したい、会いたい、見つけて欲しい。 みんなの気持ちが顔に浮かぶ。 俺はあんまり関係ないんだけどなぁ。 俺の家族は吉佳さん一人だ。 アイドルなんかになったらまた薄汚い大人に絡まれる機会が増えて逆に嫌だ。