数日後、予告通り祐希くんのお母さんは祐希くんを迎えに来た。


我が家にやって来た祐希くんママ。

とりあえずリビングに案内してお茶を出す私。


「借金は返せたし、お金だってある。もう一緒に暮らせる。」


お母さんは嬉しそうに祐希くんを見つめている。

当の祐希くんはと言うと....


「俺を売った金で借金返したんだろ?」


冷たい表情。


もう、いい子のお兄ちゃんじゃないもんね。


私は黙って二人の会話を聞く。

席を外そうとしたんだけど祐希くんに止められた。


「俺は苦しくてもみんなと一緒がよかった。売って欲しくなかった!!」


震える祐希くんの声。

寂しそうな声。


「ごめんね、祐希。私、祐希にこれ以上負担かけたくなかったの。」


涙を流す祐希くんのお母さん。


「吉佳さんから聞いたの。夜の仕事をしようとしてたって。ただでさえ家のことばかりやらせてたくさん我慢させて.....。自由になって欲しかった。売ったんじゃないの。」


お母さんもわかってたんだ。

祐希くんのことを思っての答えだったんだ。