「そっか。そんなことがあったのか...。」


祐希くんは複雑そうな笑顔で笑ってる。


無理してる。

嘘笑いだ。


「みんな元気にしてたか?」


「嘘笑いはやめて。」


私の言葉を聞いて笑顔を引きつらせる祐希くん。


心からの笑顔しかいらない。

祐希くんはいつだってそう。

自分じゃなくて他人のことばっかり。


少しは自分のために笑ってよ。


「嘘笑い?何言って....」


「誤魔化さないで!!」


私の声がこのリビングに響く。


「そんな顔して笑わないで!!辛いなら辛いってそう言って!!」


我慢しないでよ。

お願いだから人のことばかり考えないで。


「美紀...。」


祐希くんが私をなんとも言えない表情で見てる。


そして....


「俺、美紀が思ってるほどいい奴じゃねーよ。」


祐希くんはゆっくりと自分について喋り出した。