そして数十分。


「アナタが祐希の....」


優しそうな女性。

祐希くんのお母さん候補の女性はやっぱり祐希くんのお母さんだった。


そして私のことも詳しく説明した。


別に家族とかには私がZEROの家政婦だって教えてもいいよね?


「祐希は元気?」


どこか寂しそうに微笑む祐希くんのお母さん。


「元気ですよ?」


祐希くんはどうして家族と一緒に暮らしていないんだろう。


捨てられたの?


なんで晃希くんは捨てられなかったの?


なんで....


祐希くんだけ...


「....ごめんなさい。」


突然謝る祐希くんのお母さん。


なっ何?

急に?


私と祐希くんのお母さんの間に重い空気が流れる。

晃希くんはたくさんの兄弟たちの面倒を見に向こうの部屋に行っていた。


祐希くん家は10人家族なんだって。

大家族だ。


「私たちのこと許せないのでしょ?」


祐希くんのお母さんが泣きそうな顔で笑う。


「.....。」


許せないも何も私はそこまで祐希くんのことを知らない。


「祐希に伝えて。もうすぐ迎えに行くって。」


祐希のお母さんは最後にそう言った。