「雪斗!!」


ギュッ


雪斗くんのお母さんは雪斗くんに抱きつく。


「僕、捨てられたんじゃないの?」


「捨ててなんかいない!!雪斗のことちゃんと考えてあげれなくてごめんね。」


雪斗くんは震える手でゆっくりお母さんを抱き締める。


よかったね。

美しい家族愛だ。


「帰ろう。私と一緒に。」


雪斗くんのお母さんはにっこり微笑む。


あぁ、選択の時だ。

きっと雪斗くんはお母さんを選ぶんだろうな。


寂しい。


「お母さん。ごめん。僕、夢を見つけたんだ。側にいたい人がいるんだ。」


雪斗くんはそう言うとお母さんを離して私の横に立つ。


「帰れない。」


雪斗くんの台詞を聞いて寂しそうな表情になる雪斗くんのお母さん。