風燕は、部屋に入るとソファーに身体を投げ出し、ただ時間が過ぎるのを待っていた。

椿はというと、裏山の祠の前でボーっと座っていた。大晦日の寒い時期。椿の身体はだんだん冷たくなっていく・・・
そんな時だった・・・


「何してんの?」



白い髪の男が椿の顔を覗き込んでいた。驚いた椿は、その場から離れようとするのだが、男が椿の腕を掴んで離さなかった。