「持っててやるよ」



「……え?」



キョトンとしてると、足をコツンと軽く蹴られた。



「まーた、グラグラ揺れんだろ? 持っててやるから、ありがたく思え」



ぶっきらぼうに言われ、お礼を言っていいものか、一瞬戸惑う。



「あっ……ありがとう……え!? 藤くん、なんでそんなに優しいの!?」



「こうしてなきゃ、すごい勢いでタックルしてきそーだし? だったら最初から、動かないように俺が固定しとく」



固定って……。



そんな、大丈夫なのかな……。



「藤くんって、そんなムキムキでもないし……華奢に見えるから、あたしが寄かかったら折れちゃうんじゃ」



本気で言ったのに、思いっきり吹きだされた。