「うん……」



「藤! わかったよーなこと言ってんじゃないわよ。白丸先輩はね、いつだって葉月を不安にさせてるんだから。

涼風先輩とのことだって、葉月にはなんの弁解もしないし、いつだって一緒でそんなの不安になるんだからっ……。

あっ! ちょっと!! そのクッキー、ラストなのにっ! タクト!?」



凛が必死に喋ってる間に、タクトくんが横からお土産のクッキーを1枚手に取る。



それは、もう最後の1枚になっていて……。








「これ、ウマいね。葉月ちゃんと半分こしよっかな」



タクトくんは凛を無視して、割ったクッキーのひと欠片を、あたしに手渡してくる。



「タクト!?……プハッ」



タクトくんが凛を見て変顔をしたから、凛が思いっきり吹きだした。