誰かが背中を押してくれるのを待っているんだと思っていた。 すぐにでも医者に戻りたいんだと思っていた。 そうじゃなかったの? 「私なら大丈夫だよ」 「ああ、わかってる」 「わかっているなら・・」 「おまえは大丈夫だろう。でも、あいかはどうなるんだ」 親父と私の間を冷たい風が吹き抜けたような気がした。 私ったら、バカみたい。 ひとりで大騒ぎして。 そうだよね。 この身体は私のじゃないんだもんね。