「もしかして、あいかちゃん、・・・。今どこに住んでるの?」 「・・立川」 とっさに嘘をついた。 「あら、そうなの。ごめんね。思わず事件に関係があるのかと思っちゃった。そんなはずないよね。小田先生は元気にしてる?」 「あっ、はい」 谷底に落とされた気分だった。 期待が大きかった分、落胆も大きかった。 その上、親父が殺人に至る動機をかいま見た気がした。 わたしの中で、親父への疑念はますます深まっていった。