『あいかちゃん、俺がお父さんはないだろ』 『ちがわないもん。あいかながお父さんで、あいこがお母さんだもん』 『あいかちゃん・・・』 悶々とした気分のまま、あいかは親父の足下ばかりを見て後をついていった。 『おい、あいこ。何とかしろよ』 あいかなは無理矢理私を押し出した。 とはいえ、私にもどうしたらいいのかわからない。 時間ばかりが足早に流れ、何もできないまま泉ヶ岳の頂上にたどり着いていた。