仕方なかった。 納得する以外になかった。 とうとう、俺は哀哉になったんだ。 でも、そのことで達哉は俺に大きな負い目を負ったんだと思う。 一生分の執着心を使い果たしたんだと思う。 それからは、何でも俺の言うことを優先してくれた。 大概のわがままは聞いてくれた。 俺は哀哉になって良かったとさえ思ったんだ。 だけど、達哉が本物で、俺が偽物になったなんて、その時は想像もしていなかった。