「好きなの、廉……」 「樹里……」 「美智瑠さんにも、渡したくない。廉は、あたしの男だもん……」 そこまで言うと、廉はあたしを強く抱き締めた。 「美智瑠なんざ関係ない。俺には樹里だけだ。今までも、これからも」 「……っ…」 優しく頬にキスをされ、ドキンと胸が高鳴る。 好き……。 廉だけがあたしの運命の人。 廉だけが……あたしを分かってくれた。 暗闇の底にいたあたしを、連れ出してくれた人。 あたしの……愛する人。