――…
「――宮崎、雨宮!」
点検を終え、オフィスに戻ろうとした時。
保管庫に息を切らせた藤ヶ谷さんが来た。
「どうかしたんですか、藤ヶ谷さん」
廉が尋ねると、藤ヶ谷さんは慌ただしく言った。
「新宿で立て籠りが起きた。出動命令だ」
出動命令!
「はい!」
「了解」
あたしと廉は急いで保管庫を出る。
更衣室に行き、装備を整える。
立て籠りか…。
本当に面倒なことしてくれるもんだわ。
装備を完了させると、急いで更衣室を出る。
「宮崎、モタモタするな」
「はいっ!」
桐島隊長の言葉に気合いを入れて返事をする。
「樹里、あんまり固くなるなよ。」
「うん。ありがとう」
廉のアサルトスーツ姿って、やっぱりカッコいいな……。
あ、やだ!
あたしったら……。
事件なのに、そんなこと思っちゃって。
隊員全員の準備が整い、SAT隊員は移動バスで現場に向かった。

