†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ


――…




「――宮崎、雨宮!」




点検を終え、オフィスに戻ろうとした時。




保管庫に息を切らせた藤ヶ谷さんが来た。




「どうかしたんですか、藤ヶ谷さん」




廉が尋ねると、藤ヶ谷さんは慌ただしく言った。




「新宿で立て籠りが起きた。出動命令だ」




出動命令!




「はい!」




「了解」




あたしと廉は急いで保管庫を出る。




更衣室に行き、装備を整える。




立て籠りか…。
本当に面倒なことしてくれるもんだわ。




装備を完了させると、急いで更衣室を出る。




「宮崎、モタモタするな」




「はいっ!」




桐島隊長の言葉に気合いを入れて返事をする。




「樹里、あんまり固くなるなよ。」




「うん。ありがとう」




廉のアサルトスーツ姿って、やっぱりカッコいいな……。




あ、やだ!
あたしったら……。




事件なのに、そんなこと思っちゃって。




隊員全員の準備が整い、SAT隊員は移動バスで現場に向かった。