「それは気の毒ですね……それ、そんなに老化してたんですか?」
廉が聞くと、藤ヶ谷さんが顔をしかめた。
「いや…この銃はまだ仕入れてきたばかりだったんだが、何故か壊れててな。俺も不思議に思ってたんだよ」
変な話だな……。
仕入れたばかりの銃なのに、壊れてたなんて。
「ま、俺はこの銃だけを回収しに来ただけなんだ。あとは頼んだぞ!」
「了解!」
藤ヶ谷さんは壊れた銃を持って、保管庫を出ていった。
「しかし…変な話だな。新品だったんだろ?あれ」
「そうだよね…今まではそんなことなかったよね?」
「あぁ。不備なんてあってはいけないもんだからな、本来は」
あたしはズラッと並んだサブマシンガンを見た。
「この中には…なければいいけど……」
「大丈夫だろ。そんなしょっちゅう故障されてたら、修理費だけで潰れちまうよ」
廉はクスクスと笑った。
「うん、そうだよね!よし。点検しよ!」
「あぁ。」
あたしと廉は黙々とサブマシンガンの点検をした。

