†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ


「それは気の毒ですね……それ、そんなに老化してたんですか?」




廉が聞くと、藤ヶ谷さんが顔をしかめた。




「いや…この銃はまだ仕入れてきたばかりだったんだが、何故か壊れててな。俺も不思議に思ってたんだよ」




変な話だな……。




仕入れたばかりの銃なのに、壊れてたなんて。




「ま、俺はこの銃だけを回収しに来ただけなんだ。あとは頼んだぞ!」




「了解!」




藤ヶ谷さんは壊れた銃を持って、保管庫を出ていった。




「しかし…変な話だな。新品だったんだろ?あれ」




「そうだよね…今まではそんなことなかったよね?」




「あぁ。不備なんてあってはいけないもんだからな、本来は」




あたしはズラッと並んだサブマシンガンを見た。




「この中には…なければいいけど……」




「大丈夫だろ。そんなしょっちゅう故障されてたら、修理費だけで潰れちまうよ」




廉はクスクスと笑った。




「うん、そうだよね!よし。点検しよ!」




「あぁ。」




あたしと廉は黙々とサブマシンガンの点検をした。