「んっ……んっ……」 数ミリの隙間なく、重なる唇。 苦しくなって、顔を背けようとしても、それは彼の手によって遮られる。 手首を握っていた手はいつの間にか、そっと優しくあたしの手を上から包み込んでいた。 「ん……廉、待って…」 「待ってじゃねぇだろ。本当は欲しくて仕方ねぇくせに……」 「そんな、こと…」 「いいから、ほら」 「んんっ…」 再び重なる唇に、瞳からは涙が溢れていくのが分かる。