「俺が君を恨むなんて、ありえないよ。むしろ好きだったんだから」




「岡田くん…」




あたしはぎゅっと手を握った。




「俺はただ単に宮崎を守りたかった。ただそれだけなんだ」




岡田くんは優しい笑顔でこちらに歩み寄ってくる。




「確かにこの後遺症はハンデにはなるけど…後悔はしてない。俺は宮崎を守れた。ただそれだけでいいんだよ」




「……ッ…ヒック…」




あたしは涙を我慢できず、廉の腕にすがってしまった。




「おい、岡田。人の女泣かしてんじゃねーよ」




「ふっ、なら泣き止むまで抱き締めててやれよ。王子様」




岡田くんはタートルネックの首部分を緩めるように伸ばす。




活動着の下に着ているタートルネックも、事故の前は着ていなかった物。




きっと、胸元に残る手術跡を隠すための……。