「――こら、樹里」




「痛っ」




ペシッと頭を叩かれ、顔を歪めるあたし。




そして……困ったようにあたしを見つめ、腕を組む彼。




彼はあたしの彼氏……雨宮廉(アマミヤレン)。




「突っ伏せてたら勉強も何もないだろ。今回の昇任試験で階級上げたいって言ったの、樹里だろ?」




「う……」




痛い所を突かれて、あたしは黙り混んでしまう。




そう。
確かに今回ある昇任試験で階級を上げたいと言い出したのはあたしなのだ。