「廉なら中にいます。あたしはこれで」




「あっ、ちょっと樹里…」




二人を見ていたら虚しくなって、足早にそこを去った。




美姫さんの言葉に振り向く余裕もなく。




今のあたしと廉の関係…。




廉はあたしを好きだと言ってくれている。




あたしだって大好き。




でも…彼に抱かれている間も、残るのは虚しさだけ。




本物の廉に、愛してほしいだけなのに…。




愛してるのに、悲しい……。