ーー… 「そろそろ、帰るね」 「……あぁ」 脱がされた服を着て、ブーツを履いた。 まだ体に残る気怠さが、さっきまでの行為を思い出させる。 「また、明日来るね。無理しないで…ね」 「あぁ。ありがとうな」 廉は優しく微笑み、ベッドに体を預けた。 病室を出ると、あたしは足早に病院を出た。 タクシーに乗り込み、住所を運転手に告げる。 ーー… ガチャ… 部屋に戻ると、暗い部屋の中に立ち尽くす。