「ぐっ……」
「れ、ん…?」
ゴホッと口から血を吐き出し、あたしにもたれ掛かる彼。
嘘、でしょ…?
「樹、里……無事、か…?」
廉はその言葉を最後に、意識を失った。
「廉…?廉……っ!!廉!!」
お腹の辺りを見ると、ジワジワと傷口から血が漏れ出している。
「きゅ、救急車……!!」
美智瑠さんは離れた所で呆然と立ち尽くしていた。
廉、やだ…死なないで……!!
ーー…
「樹里っ!!」
「美姫、さん…」
しばらくして、あたしは病院で廉の手術を待っていた。
どうして、こんなことに…。
廉が刺される必要なんて、なかったのに…!!
「あたしが、悪いんです。廉を…巻き込んだから……」
「話を聞く限り…悪いのは樹里や雨宮くんじゃないわ。あの女の取り調べ、今やってるんだけどね…どう考えてもあの女の私怨……それなりの罪を償うべきだわ」