『舞咲』 でも、今日は違う。 顔がうっすらだけど見えた。 何で、何で…。 すると、彼が私に手を差し出して来た。 私はその手を掴むため、手を伸ばした――。 でも、また肝心な所で目が覚めてしまった。 「あの影と声…。あれは確かにあの人だった」 私は夢の中で会ったあの人のことを頭の片隅に置きながら、布団から出た。