「そ、総司…?」 私が呼ぶと、総司はこちらを振り向いた。 いつもの飄々とした態度ではなく、冷たい目だった。 総司が怖い…。 「舞咲…、ゴメンね。怖い思いさせたね。帰ろう」 総司は着ていた浅葱色の羽織で優しく私を抱き包んでくれる。 私は羽織を掴むと、小さく頷いた。 「うん…」 この時、私はまた何かが壊れて行くような予感がした――。