「いつまでそっち見てるつもり? 俺はこっちだけど」 え……?目の前で色々していたはずの彼がいない。 声がする方に振り返ってみると 隣に座ってあたしのことを見ていた。 「準備終わったの?」 「あぁ、出発までの残り1時間は未紗のものだから」 佑輔に言われて近くにある時計に目を向けると ちょうど午後4時を指していた。 あの時計が5時になったら佑輔はここからいなくなっちゃうんだ……。 あたしはいつものように笑って……佑輔を見送ることができるのかな?