座敷わらしのしのぶちゃん♪

その後もしのぶは何かと事件に巻き込まれた。


正直、こっちの身が持たねぇ。


いや、何度となくしのぶがピンチに陥っても俺はあいつを絶対に助ける自信がある。


しのぶを助けるのは俺なんだから。


ただそうもいかなくなってきた。


しのぶへの気持ちに気付き始めた俺の身辺が少し慌ただしくなっていた。


タイムリミットーーーー


俺はそろそろ跡取りとして動かなければならなかった。


DATEホールディングス。


国内どころか世界にもその名を知らしめる大企業。


長男である俺は何れはその会社を継がなきゃならない。


その何れが来たんだ。


そうなるとーーー


この仕事もそろそろ止め時なのかもしれない。


しのぶはこの事実を知らない。


知ったらなんて言うだろう?









俺はーーーー


結局、しのぶを遠ざけた。


しのぶへの気持ちがありながら、待ってろとも言わず、かと言って待ってるな、とも言わず………。


俺はしのぶの前から消えた。