座敷わらしのしのぶちゃん♪

俺が付けた発信機のお陰で何とかしのぶの居場所を突き止めた。


ここまで来ると後はもう佐助たち警察に任せるしかない。


けれどーーーー


万が一、しのぶに何かあったら………


これまで一度も感じた事のない感情が
込み上げてくる……。


いや、


しのぶは必ず俺が助ける。


俺の手で助けてやりたい。


俺は強くそう思った。


犯人達のアジトへ踏み込むと想像以上にダメージを受けているしのぶがいた。


弱々しく立つのもやっとのしのぶに戸惑う俺。


なりふり構わず強く抱きしめてやればいいんだろうけど、何せこいつに取って俺は変態女装野郎。


そう思うとついつい素っ気ない態度を取るしかなかった。


漸く一段落していつものbarに行ったものの、気が抜けたんだろう。


しのぶは眠りに落ちてしまった。


猫の引っ掻き傷の付いた寝顔を見ているとどうしても顔がニヤけてくる。


ついつい、からかいたくなる。


けれど今日一日、怖い思いをさせてしまった事を思うとーーー


俺はそっとしのぶの頭を撫でた。


何度も何度も怖い思いをさせた事を詫びながら、そしてしのぶがこうして無事でいる事に安心しながらーーー


佐助たちには分からないようにそっと唇を重ねた。