座敷わらしのしのぶちゃん♪

「しのぶ、会いたかった。もう体の方は大丈夫なのか?」


私よりもずっと背の高いリョウさんは私の頭に顎を乗せ、そう呟いた。


リョウさんの胸に顔をくっつけたまま


「はい、ありがとうございます。すっかり大丈夫です。元々、大した怪我もなかったですから。後………私もとても会いたかったです。」


と言葉を返した。


リョウさんは「そっか」と言いながら抱きしめていた腕を緩めると


両手で私の顔を包み込み


「なぁ?さっき、部屋の前で言ってたろ?俺の気持ちがどうとかこうとか……」


リョウさんに間近で見つめられ、意識がボーッとしてくる。


「アンタさ、偏差値98の割にはこういうの疎いな。」


社長にもついさっき同じ様な事言われたっけ?


だって仕方ないでしょ?


恋愛経験0だし…


そう言いながらもリョウさんの顔が少しずつ近づく。


リョウさんが顔を傾け、もう少しで私の唇と重なるときーーーー




「しのぶが好きだからキスするんだろ。しのぶが欲しいから大人のキスするんだよ…」




リョウさんの言葉はそのまま私の唇へと乗せられる。


それと同時に私は瞼を閉じた。