座敷わらしのしのぶちゃん♪

それで今日は内輪だけで婚約パーティーするんだ。


場所はもちろん


bar「investigation」


って言うか、みんなの前でこのリモコン使って隠し部屋をお披露目すれば、盛り上がるんじゃないの?


まぁ、出席者がいつものメンバーにアキさんと由宇くん加わるだけだし意味ないか。


「社長、そろそろ行かないと。先にヨネクラさんと由宇くん行ってるんで、きっと待ってますよ。アキさんも美容室から直接行くって言ってたし。」


「ああ、アキは俺が美容室に迎えに行ってそれから一緒にbarに行くよ。それでとーーーしのぶちゃんは上ね。」


と相変わらずイケメンなのに胡散臭いサングラスを掛けた社長が事務所の天井を指差す。


ん?


天井に何か?


「何ですか?上って。」  


「はぁ……。」


と、アメリカ映画でよく見るようなリアクションを社長がする。


うん、胡散臭さ炸裂だよね。


私がその様子をボケっと見ていると


「しのぶちゃんは本当に頭は良いんだけど、こう言うの鈍いよね。この上の4階で変態野郎がしのぶちゃんに呼びに来てもらうのを首をながぁーくして待っているらしいよ。」


と、社長。








あっ…


そう言えばリョウさんまだ見てないや。


私とリョウさん一緒に行くんだっけ?


何かバタバタしてたから


後回しになっちゃってた。


「解りました。リョウさん呼びに行ってきます。」


「しのぶちゃ~ん、俺はまだ体の付き合いは許さんからな~。リョウにもちゃんと言っとけ~!!」


事務所を出ていこうとする私の後ろ姿に社長が叫ぶ。


「な、な、な、何言ってるんですかっ!」


慌ててドアを開け外へと飛び出した。