座敷わらしのしのぶちゃん♪

「アキさんこそ、社長とどうなんですか?好きなんですよね、社長の事。」


反撃とばかりに私も聞いてみる。


酔うと私は積極的にもなるらしい。


「そうね、好きよ、たぶん…」


「だったら…」


「ねえ、お互いに年を取った幼馴染みの関係ってどれだけ厄介か解る?」


「さあ…解らないです。」


そもそも私にはこんなにも素敵な幼馴染み達がいないし。


「結局、私もあなたみたいに今じゃないって時期見てたら、タイミング外しちゃっていつの間にか前に進めなくなってたのよね。バカでしょ?」


アキさんが肩を竦める。


「そんな事ないです。」


幼馴染みが居なくてもアキさんの事をバカだなんて思わない。


それは本心だ。


「いいのよ、私達の事は。ただ、あなたとりっちゃんには、ちゃんとタイミング逃さないようにして欲しいって思っただけよ。」


「アキさん…」


初めは少し取っ付きにくい人だと思ってたけど


アキさん、本当に社長の事もリョウさんの事もすごく大切なんだな。


私には入り込めない3人の関係が、少しだけうらやましい…。


結局、恋の話はそれきりで、その後は私の数々の存在感0話を肴に二人で楽しく飲み明かした。