座敷わらしのしのぶちゃん♪

お腹も膨らみお酒も少しまわってきた頃、アキさんが聞いてきた。


「それで、りっちゃんとはどうなのよ?」


アキさんの言うりっちゃんとはリョウさんの事だ。


リョウさん……


この部屋でキスして以来会ってないし、電話もメールもない。


リョウさんだってそれなりの立場で忙しいいのだろうし、私だって今はあの時と状況が違う。


「どうって………何もないですよ。」


「はあ?何も?ねぇ、あなたそれでいいの?好きなんでしょ、りっちゃんの事。」


好き?


いつもは変態発言ばかりのリョウさんだけど、私がピンチの時はいつだって助けてくれる。


リョウさんの手から伝わる温もり、意地悪な事を言いつつも私を見る目はどこか優しくて………。


リョウさんを思うだけで胸がキュッと締め付けられる気がする。


これが恋?


相手を思うだけで苦しくなるような……


切なくなるような……


きっとその気持ちを例えるならーーー


好き、と言う言葉が相応しいのかもしれない。


そう、私はリョウさんの事が………


「……はい、好きですね。」


思えば自分の気持ちを誰かに正直に話すのって初めてだな。


どうやら酔うと私は素直になるらしい。


お酒の力もあるけど、意外と簡単な事なんだな素直になるって。


それに、好きって気持ちを言葉に出すと、とっても心がスッキリする。


心が開放されていくのが分かる。


「私、リョウさんの事すごく好きです。」


もう一度言ってみる。