座敷わらしのしのぶちゃん♪

「何するって、そんなもんご褒美のチュウに決まってんじゃん。俺、めちゃ、がんばったろ?」


全く悪びれる事なくシレッと言う。


「ご褒美って…勝手な事を~~~!!」


リョウさんにとっては何でもない事かもしれないけど私にとっては一々、心臓がどうにかなりそうだ。


「怒るなって。それよりこの前のアレ、なかった事にしようとしてるだろ?」


「この前のアレ……ですか?」


この前のアレとはフランソワーズちゃん事件の時のチビ・デブ・猫の前であっけなく済まされた私のファーストキスの事だ。


これまで一度も付き合った経験の無い私にはもちろん初めての事で、ファーストキスをするならば出来ることならせめてもっと雰囲気の良いシチュエーションで行いたかったなと言うのが本音だ。


しかもリョウさんは私にキスをして抱きしめている間に、発信器と録音機をセットしたのだ。


そんなのがファーストキスなんて嫌だもん。


だからーーー


私はなかった事にしたんだ


それなのに…………













「俺とのファーストキスの思い出、大切にしろよ。」





急に真面目な顔して言うから


どうしていいのか解らなくて、ソファーにあったクッションを思いっきり投げつけてから自分の部屋に慌てて戻った。


自分の部屋に戻る時、一瞬誰かに見られてる気がしたけど、気のせいかなってやり過ごした。