座敷わらしのしのぶちゃん♪

あっという間に、現職である財務大臣のニュースは速報で流れ、号外なんかも配られていた。


フランソワーズも本当の飼い主である事務次官が迎えに来て無事に引き取って貰えた。


飼い主の方が言うには、フランソワーズがお気に入りのぬいぐるみに私がよく似ているらしい。


それで、離れなかったのでは？と私の顔にくっりと付いた?印を見て笑いを堪えながら説明してくれた。


うん、どんなぬいぐるみか一度、見てみたい気もする。


事情聴取だとか一段落して、ろくに食事もしていなかったので


そのままみんなでいつものbarに行くことになった。





「「お疲れ～クックックッ…」」


「いい加減、顔の傷見慣れてくださいっ。」


さっきまで神妙な顔して心配してた社長とヨネクラさんが笑いを必死に堪えながら乾杯する。


はぁ………駄目だこりゃ。


ため息を吐いた分、大きくパスタを吸い込む。


うん、美味しいっ！


barのパスタなのに本格的ですごくおいしい。


「しかし、無事で良かったよ、しのぶちゃん。それにしてもお前、よく持ち歩いてたな録音機と発信器。」


社長がリョウさんに感心しながら言うと


「ああ、趣味も兼ねてあの2つは大抵、持ち歩いてるからな。」


なんて事ない風に言うリョウさん。


しゅ、趣味ってどんな？


気になるけどーーーー


やっぱり聞くの止めとこう。


真実を知るには恐ろし過ぎる。