四四五五「あかねさす「昼」には田の配給を行い。ぬばたまの「夜」に隙を見つけて摘んできた芹(せり)がこれだよ」葛城王(橘諸兄) 2011.0422
・葛城王の斑田に関連する歌。あかねさすは昼、ぬばたまのは夜を導く枕詞。「万葉料理教室」と題して芹と鴨肉のごま油いりを紹介。

四四八三「移り行く時代を見るたびに心が痛む。昔の人が思い出されて」大伴家持 2011.0523・2011.0825
・家持のこの思いは政治史を念頭にしないとぼやける。藤原氏の台頭と旧勢力の大伴氏。藤原を牽制する橘諸兄。あの雪の日(七四六年・三九二五)が思い出される。
・757年6月23日の歌。5日後に橘奈良麻呂の謀反が発覚する。この年1月に橘諸兄が、前年の5月に聖武が亡くなっている。藤原仲麻呂の台頭。

四四九三「新春の初子の今日の玉ほうきを手に取るだけで揺れる、み玉よ」大伴家持 2012.0109
・天平宝字2年(758)正月3日は子の日で、初子の日には農耕の皇室儀礼として鋤と玉ほうきが使われた。正倉院にも、その際の鋤とほうきが伝わっている。家持も見たモノ?

四五一六「改まった年の初めが立春で今日降る雪の(ように)さあ重なれ吉事!」大伴家持 2009.0106
・天平宝字3:759年正月元旦に赴任している因幡国での歌。萬葉集のラストを飾る歌。この歌以後の家持の歌は残らない。萬葉集の成立と家持の後半生。