四三四二「真木の柱を、たたえて造った御殿のごとくに、いつまでも母上様、容貌のお変わりのないように」坂田部首麻呂 2011.0908
・首麻呂は駿河国の防人。○○部の人が建設業に従事していた可能性に注目したい。駿河のクロニクルや坂田部の分布から建物の推定も。

四三六四「防人に出発するための騒動でウチの妻にしなければならないことを言わないで来てしまったな」若舎人部(わかとねりべ)広足(常陸国防人) 2012.0209
・業るべきことは農事に関する諸注意ともいわれる。四三六三では防人としての勇ましさを詠んでいる。

四三七三「今日からは振り返ることなく大王の猛々しく美しい盾として出発するオレは」今奉部与曾布(いままつりべのよそふ) 2011.1123
・大王は仮名。萬葉集にひそむ戦争の影『愛国百人一首』芸術の戦争利用。

四三九二「天地にいる、どの神様に祈ればいいのか? いとしい母と、また会話をするためには」大伴部麻与佐・下総国防人 2011.0823・2012.0322
・下総国(現在の千葉県北部)から九州へ防人として送られた防人が詠んだ。遠い帰路、食糧の調達もままならず九州に留まった者も多いとも。
・当時の神観念を示す、天神地祇の2神と見るよりあまたいる神のどの神でも構わないという切迫感がある。部領使を「ことりづかい」と読むのも興味をわかせる「ことり」を使役する?