野趣好萬葉集(ワイルドヨロズハ)

五〇六「私の男よ、ものを思い悩まないで! 一大事があれば火にも水にも…私がいないわけではないのだから」安倍女郎 2011.0531
・訳に困る。我が背子はが困る。マイダーリンともニュアンスが違い歌意から夫とも違うだろう。恋愛の障壁。テキストは編集者の編集の跡。

五一二「秋の田の穂田(ほだ)の刈り取り領域が、このように寄り合っていたら、そんなことでも世間は我々を噂にするでしょう」草嬢 2011.1003・2011.1207
・「くさのおとめ」とも「かやのおとめ」とも舒明妃との比定も田舎娘とする説も。秋の収穫。併せて三四六〇を紹介。
・解説中の田の見張小屋「田廬(たぶせ)」(三八一七)に興味がわく。正倉院文書に「多治比真人倓世」の名が見えて読みは「たふせ」と読ませている。田守の唐風の用字で倓世とされたのか? 池守、水守との血縁も興味が。

五二五「佐保川の小石を踏んで渡って黒馬の来る夜は年に1度もありはしないではないか」大伴坂上郎女 2011.0902
・ぬばたまのは黒を導く枕詞。佐保川は平城京を流れる川。源流は春日山原始林になる。河川は利用されるので上流と下流では様相が異なる。下水と船舶。

五二六「千鳥が鳴く佐保川の瀬のさざ波のように。止む時がない、私の恋する気持ちは」大伴坂上郎女 2011.1014
・万葉文化館蔵の上村淳之(あつし)氏の「佐保の詩」の本歌。坂上郎女の坂上は地名、佐保の近辺とされる。鳥の鳴き声。

五二七「「行くよ」と言っても来ない時があるのに、「行かない」と言ってるのを来るだろうかとは待ちません。来ないと言っているのだから」大伴坂上郎女 2009.0109
・テキストに父大伴安麻呂を中心にした系図が。大伴家持の叔母かつ姑、大伴家の刀自(女戸主)。