二三五「天皇は神様であられるので雷(の丘)の上の仮宮におられることよ」柿本人麻呂 2012.0320
・天雲のは雷を導く枕詞。解説に『日本霊異記』の小子部スガル譚を引くが、この説話自体、人麻呂が祖型の成立に関与しているのではないだろうか? レクイエムの場。

七四一「」大伴家持 2011.0503・2011.0721
・大伴家持が坂上大嬢に贈った歌。大伴坂上大嬢は大伴宿奈麿と大伴坂上郎女の娘、大嬢の大は姉の意味。田村大嬢の異母妹。系図を見ると複雑な同族婚。

二五一「淡路の野島の崎で浜風が妻が結んだヒモを吹き返している」柿本人麻呂 2011.1012
・冷泉家の人麿像、一般の三十六歌仙の図像とは大きく異なる。旅に関してなにかを結びつけておく呪術、一四一を想起する。解説は夫婦は間の衣服のヒモを結ぶ行為。

二五三「稲日野も通り過ぎかねて思っていると心恋しい加古の島が見える」柿本人麻呂 2011.1117
・現在の地形を見る限り加古の島と考えられる場所は見つけにくい。稲日野は印南野とも書き印南郡・賀古郡の台地?(註1)

二五四「明石海峡に沈む太陽だ。(ここで)漕ぎ別れになるんだろう、(大和の)家のあたりは見えない」柿本人麻呂 2011.1130
・ともしびのは明石を導く枕詞、灯火の鮮明な様が明かしなのか? 二五三とテレコになってるのか? 二五五と対になるので並べたのか?