緒川くんとチャリに乗り始めてから、結構時間が経った。
「ねぇー!どこ行くのー!?」
トラックのうるさい音に消されないように、あたしは思い切り叫ぶ。
すると緒川くんが、ペダルを漕ぐ力を少し速めた。
「秘密ーー!!」
緒川くんも、あたしと同じように叫ぶ。
秘密って……一体どこに行くの……。
ここからじゃ、緒川くんの表情が見えないけど、すごく楽しそうだ。
「おい!ちゃんと掴んでろー!!」
緒川くんはなにか言ったみたいだけど、その声はあたしには届かない。
「え!?聞こえな――っきゃーー!!!」
グンッ、と体が前に押されるような感覚。
坂!急な坂じゃん!!
緒川くんの後ろで、前が見えない恐怖と強い風にパニクるあたし。



