白く、広い天井を眺めながら、呟いた。 「…………違うわ。麗紀は……麗紀は病気なんかじゃ……」 お母さんは俯きながら言った。 お母さんは、ウソが下手だね。 そんなに悲しそうな声を聞いたら、もう、ウソだとは思えないじゃない。 ――ガラッ 白衣の人、いや…… あたしを担当してくれている先生が病室に入ってきた。 「――麗紀さん、親御さん。待たせてしまってすみませんでした。 こちらにどうぞ。」 そう言って先生は、あたしとお父さんとお母さんを別室へと案内した。