俺はこれ以上、涙が溢れないように上を向いた。 「……あ……」 すると、空には、栗田と一緒に見た鳥。 大きな羽を広げて、優雅に飛ぶ鳥。 「……お前も、来てくれたのか……」 そう、ポツリと小さくつぶやく。 その鳥は、綺麗な空を気持ちよさそうに飛んでいる。 いつの日かと同じように、それはそれは優雅に。 俺は涙を拭って、栗田の墓を見る。 栗田、俺も、お前に伝えたかったことがあったんだ。