「……っ」
唇を、噛み締める。
それでも涙は溢れて、頬を濡らす。
手紙は、ところどころ濡れていた。
きっと栗田は、泣きながらこの手紙を書いたんだろう。
その涙の跡がどうしようもなく切なくて、悲しくて。
すごく長い文章でもないのに、
なぜかこの手紙に書かれている文字はとてもズシリと重く俺の心に伸し掛った。
――『いつまでも、笑顔でいてください』
この文章を、読み返す。
……栗田。
お前がそう言うなら、俺は笑顔でいるよ。
きっと、泣いてしまうこともあるだろうけど。
それでも、この手紙を思い出して、笑顔でいる。
